「新聞奨学生」という言葉を

聞いたことがありますか?

 

新聞配達をして労働力を提供することで

専門学校などへ通う学費が免除になり

寮などの家賃や食費、光熱費のタダで

かつ給料ももらえるという制度です。

 

制度に関しては「新聞奨学金制度」で

ググってみると良いでしょう。

 

この記事は、新聞奨学生ってどうだろう?

いま学生なんだけど迷ったり情報を集めている、

または息子がこの制度を利用する予定だといった

方にお役に立てるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

新聞奨学生をやるメリットは?

 

・毎月給料が少しもらえる

・奨学金を入学時に前借りできる

・寮の家賃や光熱費を負担してもらえる

・配達用バイクは貸与してもらえる

・朝晩の食事が無料で用意してもらえる

・もしやり遂げれば自信につながる

・一生に一度の経験ができる

・毎日走るので体力がつく

 

 

デメリットは?

 

・労働力の対価に見合わない

・心と体に余裕がなく楽しめない

・いつも眠いから集中力に欠ける

・集金や営業のノルマがキツい

・具合が悪くても配達はしなければならない

・寝ないで学校へ行くストレス半端ない

・社会からの疎外感に押し潰れそうになる

・良くも悪くもある意味、奴隷

・店側の状況を本部は管理できていない

 

 

 

 

新聞奨学生をやってみた感想と他人におススメできるか?

 

新聞奨学生はやめておいた方がいい。

別の道を探るほうが遥かに賢明

 

これが結論。

2年間やり遂げた私の見解です。

 

もし私の子供がこの制度を利用して

専門学校へ行きたいと言ってきたら

全身全霊、私の用いる全ての力を使ってでも

やめさせるでしょう。

 

理由は次の通りです。

 

 

新聞奨学生をおススメできない理由とは?

労働力の対価として全く見合わない

 

まずは実際に私が新聞奨学生として

働いていた1日の流れを見てみましょう。

 

 

2:30 起床

2:45 バイクで販売店へ向かう

3:00 チラシの折り込み作業(400部)

3:45 朝刊の配達開始

6:00 販売店へ戻り朝食

7:00 寮へ戻る

8:00 専門学校へ通学(電車)

14:00 寮へ戻る

14:45 再び販売店へバイクで向かう

15:00 夕刊配達

16:30 販売店へ戻り夕食

17:00 翌日朝刊用チラシの段取り

18:00 集金と営業活動

21:00 販売店へ戻り精算報告

22:30 寮へ帰宅

23:00 入浴

23:30 就寝

 

 

 

この生活をして

当時の給料は額面で¥132,000でした。

 

新聞社で負担してもらう額(ひと月あたり)

・学費¥83,000

・寮費¥50,000

・食費¥30,000

・光熱費¥15,000

計¥178,000

くらいの見積りになりますが、

 

個人的には50万円くらいもらわないと

割に合わねーよって感じです。

 

晴れの日も雨の日も雪の日も

これが毎日続きます。

よくこんな生活を2年間も続けたなと

はじめて自分で自分を褒めたいと思います。

 

逆に、あの時の地獄があったから

今の自分があるとも捉える事もできます。

 

それにしてもあれは過酷すぎです。

契約書にサインするときに、両親以外の

連帯保証人を立てているもんだから

逃げる事もできない。

 

まさに新聞奨学制度という名の

奴隷制度です。

 

 

 

実態は休みをもらえない等のパワハラありきのたて社会

 

 

私の働いていた販売店では

新聞代の請求はお客さんの家まで

バイクで行ってピンポン押して

現金で払って貰うのが当たり前でした。

 

契約してくれたお客さんは必ずしも新聞を

読みたくて契約している訳ではないので

集金へ行くと支払いを渋ってきたり

居留守をキメ込む輩も存在しました。

 

集金にも期日があり、それを守れないと

営業活動をやらされていました。

集金の進捗率が悪いと店長の機嫌も悪くなり

オイッ、○○○○とフルネームで呼ばれ

 

『義務を全うしないものに休みを主張する権利はない』

『集金進捗90%集まるまで店に帰ってくるな』

『お前の連帯保証人に電話するぞ』

 

と毎日怒号を浴びせられました。

表向きは休みなのでタイムカードを押す事は

もちろん許されません。

 

なんでこんな事しなきゃいけないんだろうと

何回自問自答したか分かりません。

 

営業だって店側の人間が契約獲る為に

商品券やビール券をお客さんへ渡していたり、

中には払わなくても良いと口約束で

契約しているケースもあります。

 

そういったお客さんからは

新聞代を払ってもらえる見込みはなく

『不良債権』として請求書だけが

いつまでも自分の手元に残ります。

 

不良債権化した請求書は

最終的には給料から引かれました。

正確には給料袋から現金を抜かれます。

明細とかで証拠が残らないように、

店側も考えているという訳です。

 

当時の給料は決まっていて

一律13万2千円でした。

そこから税金やらなにやら引かれて

手取りで10万円程です。

 

ただでさえ少ない給料から

不良債権分の現金を抜かれてしまうと

生活できなくなります。

 

だったら営業しろという訳です。

営業して収入を増やせと。

 

本来、

新聞奨学生は営業はやならくて良い

業務のはずでしたが、

それをしないという選択肢は

当時の私には与えられていませんでした。

 

 

 

とにかく時間・余裕が無く毎日が一杯いっぱい

 

新聞を配達して

集金して営業して

かつ学校へ行ってというのは

時間的にかなり無理があります。

 

睡眠時間が毎日2~3時間、

慢性的に寝不足です。

そんな身体で学校へ行っても

居眠りや遅刻をしてしまい、

授業には集中できるはずがないのです。

 

すると、しだいに学校へ行く時間を

少しでも睡眠時間に充てたいと

思うようになるのは当然の事です。

 

寮には新聞奨学生ではない社員もいます。

新聞奨学生が学校へ行っている時間

彼らは何をしていると思います?

 

 

 

 

 

寝ています。

 

 

 

 

そんな酷い話ないですよね?

 

つまり新聞奨学生というものは

社員が睡眠に充てなければやっていけない時間帯を

『スキマ時間』を有効活用して寝てないで

学校へ行って下さいね。

 

そういう事です。

 

それに学校へ行けば友達がいるのに

夕方遊びに行けない、誘われても

断るしかないので、それがかなりの

ストレスになります。

 

例えば好きな人ができて、運よく

お付き合いをすることができても

1、こっそり寮へ呼ぶ

2、23時以降に外で会う

 

くらいしか選択肢がありません。

しかも貴重な寝る時間を当てて。

一緒にディナーや買い物を楽しんだり

普通の事がなかなかできないです。

 

寮へ呼んで「泊まっていけよ」

なんて言っても当の本人は

朝刊を配るのに2:30にはその場を

離れなければなりません。

 

残念ながらすぐに破局ですよ。

心と体に余裕が無ければ、相手に

思いやりの心が生まれないですし

相手もきっと楽しくないはず。

 

そんなことも含めて

新聞と学業の両立は不可能とは言わないけど

限りなく不可能に近いです。